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執筆者の写真kimilab

「図書館たほいや」プレイ体験会@横浜国立大学附属中央図書館

2024年11月9日(土)に、横浜国立大学附属図書館・中央図書館にて、「図書館たほいや」プレイ体験会を実施しました。


この企画は、「図書館総合展2024」・「図書館とゲーム部」の企画として行われたもの。11月6日(水)に開催した「図書館総合展2024」フォーラム会場(パシフィコ横浜)でのプレイ体験会とは別に、「(単なる『たほいや』ではなく)『図書館たほいや』なのだから、しっかり『図書館』でのプレイ会を体験したい!」という思いから、あわせて、大学図書館でのプレイ会を開催することに。



定員5名で参加者の募集をかけたところ、10月中にはすでに参加申込者数が定員に達しました。

「図書館たほいや」は、15分くらいでも1ゲームできてしまうような、「お気軽なテーブルゲーム」であるところがひとつの魅力でもあるので、「がっつり!2時間!大学図書館で!!」プレイを体験してみたい方なんて果たしていらっしゃるのだろうか…?と思っていたところもあったので、うれしい驚きでした。


今回はゲストプレイヤーとしてとして、近畿大学短期大学部の司書課程で教鞭を執られている、德田恵里(近畿大学短期大学部(司書課程)・非常勤講師)先生をお招きしました。


徳田先生は、「図書館とゲーム部」でのオンライントーク企画「司書の情報収集能力で、好きな作品の情報を調べてみた ~日本刀のゲーム編~」で、自分の好きなメディア作品を軸にして、それについて深く調べていくための方法を解説なさるなど、文献やデータベースをはじめとしたさまざまな資料の探し方に詳しい「情報のプロ」



そんな「情報のプロ」である徳田先生も交えつつ、大学図書館に所蔵されている辞書・事典もふくむ、さまざまな辞書・事典のプレイの可能性を探っちゃおう!というのが、今回の企画でした。


はじめに行った「お試し」プレイでは、麹町幸二ほか編(1933)『モダン流行語辞典から出題。

「司書みさきの同人誌レビューノート」でとりあげられていた同人誌『モダン流行語辞典を讀む』(岩峰晴子・依鳩噤)を読み、そこで紹介されている「モダン」な「流行語」たちに、心を撃ち抜かれたわたし。

「図書館たほいや」を通じて、こんなに「トレモロおすてーき」な言葉たちと出会っていただく機会をつくってさしあげられないかしら!?…と思い、今回、「お試し」プレイとして試してみることに。

『モダン流行語辞典』から「だあー(「ダアー」)」を出題したところ、プレイヤーの皆さんの「昭和モダーン」が炸裂する回答がたくさん寄せられて、まさに「トレモロおすてーき」(=何度でも言いたい日本語)でした。


その後、プレイヤーの皆さんに、横浜国立大学附属中央図書館のレファレンスコーナーをご案内し、15分程度で、出題元となる辞書・事典を探していただきました。


ゲストプレイヤー・徳田先生が選んだのは小泉袈裟勝(監修)(1981)『単位の辞典(改定4版)』はじめに全プレイヤーに向けて出題した語は、「ふぇっだーん(「フェッダーン」)」でしたが、多くのプレイヤーたちが、この語感から、ヨーロッパのかほりを感じ取っていらっしゃったのが、興味深かったです。

「(この辞典は)永遠に遊べる!」との言葉どおり、徳田先生はは、この後も、ずっとこの辞書だけで闘いつづけられていいました。

「図書館たほいや」の新たな遊びの可能性として「単位(の言葉)」が見出された瞬間でした。


横浜国立大学附属図書館内に所蔵されている辞書・事典で、もうひとつ「面白い」と話題になっていたのが、原子朗(1999)『新宮澤賢治語彙辞典』 これは、「回答する側」だけでなく「出題する側」をも悩ませるような内容でした。「出題する側」としては、あまり知られていないような「賢治語」を探す楽しみ(と悩ましさ)があると同時「回答する側」としては、どのような「賢治らしさ」をもとに「それっぽく」考えていくか?という戦略が求められます。

この日、出題された語についても、オノマトペや、地名(例:「イーハトーブ」)、登場人物名(例:「カムパネルラ」)など、いろいろな、賢治的カタカナ語の可能性が探られていて、非常に面白かったです。


物書堂」のアプリを愛用していて、ふだんの辞書活動のなかで出会ってきた、すてきな辞書や語の魅力を紹介してくれたプレイヤーの方もいらっしゃいました。

「物書堂」のアプリにおさめられた多数の辞書・事典は、それそのものが「図書館たほいや」的な遊びの宝庫!

今回は『大辞林4.0』から出題語が選ばれたのですが、「書籍版の「大辞林 第四版」(税別価格:9,000円)に約1万8千項目を追加した、約26万9千項目を収録」(「大辞林 第4版」『物書堂』)したという『大辞林4.0』の特性をうまく生かした、新収録語の出題で、「デジタル時代の辞書遊び」の可能性を感じました。


その他にも、『ロシア・アヴァンギャルド小百科』や『日本舞踊辞典』など、「こんな辞書や事典があったのか」とあらためて思うような場面もありました。


当日は、「図書館たほいや」プレイ会にあわせて、「辞書」や「言葉」に関連したゲームなどの展示も行ったのですが、それらもとても好評だったようです。


今度はこれら「辞書」や「言葉」のゲームをプレイする会と、「図書館たほいや」とをセットでプレイする会を開催しても楽しいかもしれないですね。






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