私立浦和実業高等学校図書館を舞台に行われた、埼玉県高等学校図書館研究会主催のイベント「図書委員研修交流会」。
高等学校の図書委員・図書部に所属する生徒の皆さんが集まるこちらのイベントで、「図書館たほいや」のプレイ会を実施してきました。
「図書館たほいや」のプレイ会を行う場合「どこからどのように辞書・事典を集めるか」が問題になります。
図書館で行う場合、その図書館に所蔵されている辞書・事典のみを使用することになりますが、小さな規模の学校図書館だと、そもそも辞書・事典の種類があまりそろっていなかったりすることもありますし、種類を増やすために、公立図書館から借りてこうとしても「禁帯出」の壁に阻まれたりします。
……が!
今回は「図書委員研修交流会」ということで、同じ地区内の高校にある複数の学校図書館から、それぞれが所蔵している辞書・事典を持ち寄ってもらうことで、十分な量の『広辞苑』をそろえることができたことはもちろん、発行者の異なる「国語辞書」、個性あふれる「専門辞書」を、バラエティ豊かにそろえることができました。
今回、各学校図書館からもちよっていただいた辞書・事典類のリストはこちら!
個人的にうれしかったのは、2021年に実施した「図書館たほいや公開バトル」で、伊藤崇先生(北海道大学)が出題元としていた『日本語オノマトペ辞典』(小野正弘, 2007)(小学館)を所蔵している学校図書館が多く、多くのチームで、『日本語オノマトペ辞典』での「図書館たほいや」を遊んでもらえたことでした。
プレイヤーとして集まった高校生たちも、「『広辞苑』を使った『たほいや』はすでにプレイ済みです!」という猛者ばかりだったので、はじめこそ様子見で『広辞苑』を使っているものの、どんどん他の辞書・事典からの「出題」にチャレンジを広げていってくれました。
途中からは、生徒たちの周りを、引率の先生方や学校司書さんたちが取り囲み、「結局、その問題、正解はどれだったの?」「そこから「出題」するかー!」などと、プレイの観戦を楽しんでいらっしゃる様子も見られ、サポートスタッフの1人として、とても幸せな気持ちになりました。
1時間のプレイ会のあとは、「『図書館たほいや普及委員会』による挑戦状」ということで、図書館たほいや普及委員会・なぐらさんによる「ゲキムズ」問題を出題。チーム対抗戦のかたちでトライしてもらいました。
複数の国語辞書における語釈の違いを楽しむものから、ヒエログリフで示された言葉の意味を与える問題(出典:『楽しいヒエログリフ入門』)、夏目漱石や三島由紀夫などさまざまな名作家の書いた「村/町」についての一文から、太宰治が書いたものを当てる(!)(出典:『日本語 描写の辞典』)まで、トリッキーな問題ばかりでしたが、どれも楽しんでもらえたようで、想定以上の盛り上がりっぷりでした!
学校に持ち帰ってやってみます、という嬉しい声もいただいたので、またそれぞれの学校で、いろいろなかたちで辞書・事典の面白さが発見され、面白い遊びかたが見いだされていくといいな、と思っています。
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