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執筆者の写真kimilab

中学校授業での図書館たほいや

以前、こちらのブログ記事で、大学生(教育学部生)対象の「図書館たほいや」についてレポートした際、2020年1月に、中学生対象の「図書館たほいや」体験が予定されていることをお知らせいたしました。

今回は、そのご報告です。


教育学部生対象の「図書館たほいや」を経験した、21名の大学生にファシリテーションをしてもらいながら、中学1年生3クラス(計110名程度)の授業で、「図書館たほいや」体験会を行ってきました!


今回の授業は、この中学校の国語科で2月から実施される単元「目指せ!オノマトペ・マスター」の導入単元(第0次)という位置づけ。

オノマトペ(擬音語・擬態語)についての学習に本格的に入る前に、大学生と一緒にゲームを通じてオノマトペに触れることで、オノマトペの面白さや奥深さに気づいてくれれば…という担当の先生の思いから、今回の「図書館たほいや」体験実施が実現しました。

そのため今回は、生徒たちが普段から使用している三省堂『新明解国語辞典』と、各グループごとに割り振られたオノマトペ辞書のみを使用しました。


今回使用したオノマトペ辞書は、以下のとおりです。



これで、合計10冊!

10チームによる活動を同時展開するため、オノマトペ(擬音語・擬態語)辞典をいろいろなところから集めたのですが、辞書・事典の類は、通常、図書館で「禁帯出」扱いになっていることが多いこともあり、10冊集めるのも、なかなか大変でした。


それでも調べてみると、講談社学術文庫から出版されている『擬音語・擬態語辞典』(山口仲美, 2015)は貸出可能になっているところもけっこうありましたし、何しろ、購入したとしても、2,000円未満(!)なので、いろいろある専門辞書のうちでは、比較的そろえやすいテーマであったといえます。


2015年以降に発行されている辞書・事典が多いというのも、良かったですね。

生徒たちにとって、あまりに「古い」と感じるような意味が掲載されているものだと、なかなか学びに結びつかないところもありますが、そのような心配なく、ゲームプレイに入っていけるかんじがありました。


オノマトペ(擬音語・擬態語)に焦点をあてた「図書館たほいや」プレイ体験会で、面白かったのは、「のほほん」「ふりふり」など、現代の生徒たちが使用している言葉のニュアンスと違ったニュアンスを持っているオノマトペですね。


特に「のほほん」は、飛田良文・浅田秀子『現代擬音語・擬態語用法辞典 新装版』の中で、「事態の重大さを理解できず、必要な行動を起こさない様子を表す。マイナスイメージの語。」と説明されているのですが、生徒たちからはまったく「マイナスイメージ」につながるような回答が出されなかったり…というようなことがありました。


個人的には、最後のクラスで、「めろめろ」が出題された際、ある男子生徒が「興奮すること」と回答用紙に書いていて…なんだか、思春期を感じてしまいました。


オノマトペ(擬音語・擬態語)に焦点を当てた「図書館たほいや」は、辞書類のゲットしやすさの点でも、中学1年生でも、語感から意味が類推しやすいという点でも取り組みやすいと思います。はじめて学校でやってみよう、と思われる方に、おすすめです。

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