top of page
検索
執筆者の写真kimilab

教育学部生対象授業での図書館たほいや

横浜国立大学教育学部の学生たちを対象に、横浜国立大学中央図書館にて、「図書館たほいや」を実践してきました。


今回、「図書館たほいや」を実施したのは、教育学部1年生対象のフィールドワーク系科目。この科目では、大学生たちが来年1月に、中学生を対象に「図書館たほいや」を実施することを予定しています。

今回の授業のねらいは、中学生との「図書館たほいや」プレイに向けて、グループワークのファシリテーター(司会・GM役)を務める大学生たちが、自分自身でプレイすることを通して、「『お題』によってどのように『楽しさ』が変わってくるのか」「用いる辞書・事典によって、どのように『遊び』や『学び』が異なってくるのか」を考えること。


まずは、各チームに配布された、『広辞苑』(第5版・第6版・第7版)と『大辞泉』(第3版・第4版)を使って、「たほいや」をプレイしてみることで、ルールを理解したあと、今度は、チームごとに、「どんな専門辞書・専門事典を追加したら面白いか?」を考え、ブックトラックに用意された横浜国立大学中央図書館所蔵の専門辞書群から、専門辞書・専門事典を選びます。



今回、学生たちが選んだのは、


小野正弘『日本語オノマトペ辞典 : 擬音語・擬態語4500 』(小学館)

尚学図書編『日本方言大辞典』(小学館)

牧村史陽編『大阪ことば辞典』(講談社)

中村元『佛教語大辞典(縮刷版)』(東京書籍)

永山久夫『日本古代食事典』(東洋書林)

そして、

ポストメディア編集部『 推しが尊すぎてしんどいのに語彙力がなさすぎてしんどい :腐女子の感情類語辞典』(一迅社)

…でした。


印象的だったのは、「これを追加したら面白いんじゃないか、と思う専門辞書を選んでみてね」と言っただけで、どのチームもほとんど迷うことなく、専門辞書・専門事典を選ぶことができたところ。


自分たちの知っている言葉を辞書風に説明することを遊んでいたチームは、「これしかない!」と言って、真っ先に『日本語オノマトペ辞典』をとっていきました。

元祖「たほいや」らしく、自分たちのまったく知らない言葉の定義・説明を考えることを楽しんでいたグループは『佛教語大辞典』。

『日本古代食事典』を選んでいたチームは、「自分たちの知らない言葉から、どんな料理(食べ物)なんだろう?って考えるのが面白そう!」と言って、この事典を手にとっていきました。


イベントでのプレイ体験会など、いくつかの機会で「図書館たほいや」のいろいろな楽しみ方に触れることはありましたが、今回の授業を通して、あらためて、「図書館たほいや」の遊び方・楽しみ方のバリエーションを知ることができたように思います。


(1)知らない言葉を「お題」にして、語感から連想することを楽しむ

(2)なじみの言葉を「お題」にして、それがどのように説明されているかを推測して楽しむ

(3)料理・食べ物や植物など、ジャンルやカテゴリーを限定したり、専門事典を使ったりして、その中で知らない言葉から連想することを楽しむ


あえて名付けるとしたら、(1)は従来型(あるいは、辞書ユーザー型)、(2)は、辞書編纂者型、(3)は、専門用語型と呼んだりできるでしょうか。


このように、「楽しみ」のバリエーションがいくつも見つかって、整理されていくことで、たとえば、「中学生だったらどの楽しみ方ができるだろう?」「同じ職場の仲間たちだったら?」…などと、いろいろなタイプの「図書館たほいや」を考えていくことができそうです。そのようなかたちで、さらに辞書・事典の楽しみ方を増やしていくことも、また楽しいことでしょう。


今回の授業では、最後に、中学生といっしょにプレイするにあたって、おすすめの『お題』、辞書・事典の選び方について、学生たちに考えてもらいました。

「お題」として推薦されたのは、「あい」と「うそ」、そして「どんなもんや」(『大阪ことば辞典』)(笑)。

専門辞書・事典としては、オノマトペの辞典や、方言の辞典が推薦されました。

またそれとは別に、「縛り」「くくり」を設けて出題するという、新たな遊び方も提案されました。


大学生たちが、中学生に「図書館たほいや」を実施するのは、来年1月。

そのときまでに、大学生たちがどのような「お題」を考えてくるのか、そして、大学生と中学生とでどのような「遊び」「学び」が展開していくのか。今からとても楽しみです。

閲覧数:203回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page